昔懐かしの味
中ヨークシャー種はイギリス原産の中型白色豚。
昭和30年代頃まで日本の豚の約95%を占めており、日本人にとても親しまれた美味しい豚肉でした。
しかし、その後時代の流れで育成の早い大型種に押され、そのコクのある豚肉を味わうことができなくなってしまったのです。
むふう、
この旨さにため息がもれる。
まい泉オリジナルのブランド豚「甘い誘惑」は、とんかつに適した豚肉とは何かを追求して誕生しました。
その特徴は、きめ細かくやわらかな肉質と甘くとろける脂身の美味しさ。
ジューシーで、それでいて豚本来のコクのある旨みは、一度食べたら何度でもまた食べたくなるほどです。
中ヨークシャー種はイギリス原産の中型白色豚。
昭和30年代頃まで日本の豚の約95%を占めており、日本人にとても親しまれた美味しい豚肉でした。
しかし、その後時代の流れで育成の早い大型種に押され、そのコクのある豚肉を味わうことができなくなってしまったのです。
あの美味しい豚肉をもう一度と養豚農家が集結して、絶滅寸前まで頭数を減らした豚を復活させました。
一頭ごとに純粋種肉豚証明書が付けられた、千葉中ヨークシャー種。
伝説の豚と呼ばれる、極めて希少性の高い豚です。
現在の主流の豚に比べて、1頭あたりの出産数が少なく、育つのにも時間がかかります。
繊細な性格のため、手間ひまかけて、大切に大切に育てています。
サツマイモを混合した飼料とまい泉ヒレかつサンドのパン耳を混合した飼料で育てています。
パンの小麦、サツマイモのでんぷんは、肉に充分に吸収され、旨みと甘みを増す効果を発揮します。
2012年12月。『とんかつまい泉』の歴史に、新たな1ページが加わりました。それは「よりおいしいとんかつを楽しんでもらいたい」という一心で始まった、まい泉の新たな挑戦―――自社オリジナル豚によるメニューの提供でした。
多くの方の情熱とご協力で育てられた、そのオリジナル豚の名前はずばり、「甘い誘惑」。『とんかつまい泉青山本店』だけで楽しめる、とっておきの豚肉です。さぁ、あなたもちょっとだけこの誘惑にのってみませんか?「甘い誘惑」にまつわるバックストーリーをお届けしていきます。
とんかつの主役と言えば、なんと言っても豚肉。『とんかつまい泉』では、三元豚(さんげんとん)や茶美豚(チャーミートン)、鹿児島の沖田黒豚(おきたくろぶた)や沖縄の紅豚(べにぶた)など、様々な種類の豚肉を使用しています。そのどれもが、直接足を運び調べあげて認めた、自慢の逸品。さらに徹底して、入荷ごとに独自の厳しい品質チェックが入るので、皆さんの前に並ぶメニューの豚肉は、どれも特別なものです。しかしそれだけではありません。「現状に満足してはいけない。さらにおいしいものを。」常に高品質なものを求めて、日本全国、さらには世界にまで視野を広げ、豚肉を探しています。そうした中、自然に溢れてきた気持ちこそが「まい泉ブランドの豚を作ってみたい」だったんです。
「とんかつに合う、最高の豚肉を。」
採算や効率より、まずはたしかな味を求めて...。そんなことを考えていたら、理想の牧場を探すだけで、実に1年以上もかかってしまいました。しかしその甲斐もあって、奇跡と呼ばれるほどの希少な品種に、たっぷりの愛情を注いで育てる、温かなパートナーが見つかります。そしてその豚へ「ヒレかつサンド」から出るパン耳を含む飼料を与えることで、品種、環境、飼料と3拍子揃った「甘い誘惑」が生まれたわけなんです。しかし、これでもまだやっとスタート地点。『とんかつまい泉』は、これから養豚のノウハウをどんどん積んでいき、"一歩進んだとんかつ屋"を目指します。みなさんに一段とおいしいとんかつを提供できるように...。なんて、誘惑に駆られ過ぎですか?
『とんかつまい泉青山本店』だけで提供している、オリジナル豚「甘い誘惑」。一体この豚肉の何がすごいのか??今回は、その謎めいた素性をお話します!
「甘い誘惑」の品種は、千葉中ヨークシャー種といいます。その名の通り、千葉県で生産されている中ヨークシャー種です。その特徴は、柔らかな肉質と甘くとろけるような脂、そしてコクのある味わい。しかしそんなおいしい豚肉にもかかわらず、生産している農家は千葉県内でわずか7軒しかありません。
もともとこの中ヨークシャー種が日本にやってきたのは、明治時代初期の頃。文明開化とともに、日本で一気に肉食という文化が広まり、この豚肉は日本人にどんどん親しまれていきました。昭和30年代に入る頃には、なんと流通する豚肉のうち約95%が、この中ヨークシャー種だったといいます。
しかしその後迎えた高度成長期。時代に求められるように登場したのが、早くたくましく成長する大型種でした。手間暇かかる小さな中ヨークシャー種よりも、効率よく生産できる大型種へ。みるみるこの中ヨークシャー種は生産の場を失っていき、ついに純血種は絶滅の危機に瀕することになってしまうんです...。
そこで千葉県のいくつかの生産農家が立ちあがり、"伝説の豚"とまで呼ばれるようになったこの品種をよみがえらそうと、力を注ぎます。
「日本人の食卓を支えた、おいしいこの豚肉を絶やしたくない」。
大型種に比べて40日も長い飼育期間に、繊細すぎる性格。それでも農家の方々の惜しみない努力により、中ヨークシャー種は"千葉"という冠をたずさえて見事に復活しました!
「時間や手間がかかっても、豚本来の味わいを」。
そんな思いと情熱に打たれたまい泉は、千葉中ヨークシャー種の第一人者である「堀江ファーム」と、こうしてタッグを組むことになったわけなんです。
"とんかつに合う最高の豚肉を"そんな思いから生まれた『とんかつまい泉』オリジナル豚「甘い誘惑」。ただ単に、希少な品種である豚を育てる...それだけではこのおいしい豚は育ちません!「甘い誘惑」の特徴であるとろけるような脂身を生み出す重要な役割を担うのは、ずばり「飼料」なんです。その秘密を少しだけ。
おいしい豚肉の第一歩は、豚そのものの品種。これは欠かせない要素です。しかし豚が育つための良い環境、そして飼料があってこそ、その品種の持ち味が最大限に引き出せます。飼料の内容の決定や配合のさじ加減は、まさに生産者の腕の見せ所!この作業で豚肉の脂質はガラッと変わるため、日々の試行錯誤は続きます。
では「甘い誘惑」が食べている飼料は?と言うと、サツマイモなどのベースに、「パン耳」をプラスしているんですよ!まい泉おなじみの「ヒレかつサンド」。その生産過程で発生する、あのパン耳です。でも耳とはいえ、元はパン。小麦の栄養がしっかり含まれていますよね。この小麦こそが、豚肉に脂をほどよくのせてくれるアイテムなんです。「甘い誘惑」の魅力はおいしさだけでなく、こういった"再利用"という観点でもあるんですね。
しかし、はじめからドカンとパン耳だけをあげるわけではありません。豚の飼育は大きく4段階あって、お母さん豚のもとで育つ通常哺育期、人工乳期、子豚期を経て、最後にグッと体重の増す肥育期を迎えます。この肥育期にあたる2~3カ月の間で、パン耳を含んだ飼料を与えるんです。その中でのパン耳の含有率は、全体のわずか4~5%程度。数字的には少しですが、この"ラストスパート"が、豚肉にとろっとした脂身をまとわせてくれます。
口にするもので、肉質が変わる。生き物の力って、本当にすごいですよね。私たちの体にも言えることですから、やっぱり毎日の食事には気を配りたいところですね!
最高の豚肉を求めて...という頑なな思いから生まれた『とんかつまい泉』のオリジナル豚、「甘い誘惑」。とんかつ業界に新たな風を吹き込んでいるこの豚のふるさとは、千葉県は富里市にある堀江ファームです。今日は、成田空港にもほど近いこの場所で、一家4人で経営されている「甘い誘惑」の生みの親、堀江ファームにお話を伺います!
開業したのは昭和33年。ちょうど映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の時代です。なんせその頃は"食料増産"が日本のテーマ。たまたま近くに畜産センターがあって優れた豚が入手できましたし、養豚を始めることになったんです。
今私たちが育てている豚は、開業当時に日本の家庭で一般的に食べられていた、中ヨークシャー種。これは確かにおいしいのですが、今主流である大型の豚と比べ飼育はとても大変で、毎日が苦労の連続。木をたくさん植えて、四季のある農場を作り、なるべく自然の中で豚を育てられるよう努力しています。やはり人間と同じで、動物はいつ体調が変化するかわからない...その管理にはいつも気を配っています。たしかに苦労は絶えませんが、こうして家族4人で手を取り合いながら、「甘い誘惑」も毎日世話しているんですよ。昭和の頃の"あの味"を、みなさんに味わってもらいたいから。その一言です。
ちょっとびっくりするネーミングですよね!"一度たべたら、再びたべたくなる"という、誘惑にかられる豚肉をイメージ。実際に、脂のうまさ、柔らかい肉質です。『とんかつまい泉青山本店』では様々なメニューが並んでいますが、とんかつやメンチかつなどをオーダーしてくださった場合には、まず最初の一口はタレやソースなどをつけないで、肉本来の味をお試しいただきたいです。
千葉県富里市。その住宅街の一角にあるのが、「甘い誘惑」のふるさとである、堀江ファームです。絶えず何かしらの花が咲いているという緑豊かなファームを、経営される堀江光洋さんに連れられて歩いてみました。そこには"誘惑"というタイトルからは想像できない、穏やかな風景が広がっていたんです。
表の入り口近くはそうですが(ファームの入り口は住宅街に隣接していますが)、豚舎の奥に進むと...ほら、こうして裏手には広大な畑があるんですよ。 イギリスの田園風景みたい?...そうですね(笑)
もともと「甘い誘惑」の品種である中ヨークシャー種はイギリスが原産ですから、さすがに気候はちょっと違いますが、雰囲気が似ているのは豚にとってもいいことかもしれませんね。環境は豚にとって本当に大切なんですよ。
私たち(堀江ファーム)が出荷するのは、年間およそ1000頭。この業界でも最小規模なんです。しかも、そのうちほとんどが三元豚で、「甘い誘惑」をはじめとする純粋種の中ヨークシャー種はほんのわずか。それだけでも、とても貴重な豚ということがおわかりいただけると思います。
1回の出産で生まれるのは10頭くらい。最初は右往左往しているのが、次第に彼らの中で"自分の飲む場所"が決まるんです。実は、母豚の頭に近い乳首のほうが、母乳が多く出る傾向があります。ですから、そういったバランスも考えて均等に育つように位置を変えて工夫しますね。ベテランの母豚は慣れたものですが、初産だと神経質になってしまうことも。とにかく母豚も子豚も、注意深く観察する必要がありますね。人間となんら変わりありませんよ。
かんかん照りの天気を心配そうに眺め、餌場や水場、豚の様子をチェックして回る堀江さんの様子は、まさに「甘い誘惑」のお父さん。命をいただくありがたさを、あらためて感じました。
まい泉のオリジナル豚がメニューに登場する3カ月前の、2012年9月のこと。いよいよ命名の時がやってきました。 「...甘い誘惑です。」
その瞬間、『とんかつまい泉』社内は一瞬ざわついたといいます。名前は"顔"とも言いますが、わざわざこの名前を選んだ、その真意とは...?「甘い誘惑」のプロジェクトに携わるマーケティング部に直撃しました!
「いえ!最初は100個くらいの候補があったんです。まず先にふるい落としたのは、○○豚や○○ポークといった、よくある名前。生産までの特別な思いから、豚の名前らしくない、インパクトのあるものという方向性で絞りこみました。そして「一度食べたら何度でもまた食べたくなるほどのおいしさ」という意味合いを含めた、この名前に落ち着いたんです。」
「女性社員は、みんな顔をしかめましたね(笑)でも、千葉県で絶やさないように育てられていた中ヨークシャー種という貴重な豚に、パン耳を含んだ餌を与えるという新たな試み。そしてその結果生まれた脂の甘みとコク、肉質の柔らかさ...。どんな角度から見ても、ただの豚ではないので、ちょっと吹っ飛んだ名前にしたかったんですよね。はじめは嫌な顔をしていた社員も、聞いて食べて、しばらくするとその名の通り!「また食べたい」という甘い誘惑にかられるような、いい名前だねって。今では味と印象にぴったりだと自信を持っています。」
「豚の鼻をデザインしたかわいらしいロゴと、その下に並ぶアルファベットの文字です。名前では説明しきれない点がここでアピールされているので、ぜひチェックしてみてください!この後トライしたいこと?せっかくこの名前とロゴがあるので、甘い誘惑グッズも作ってみたいです。みなさんを、おいしい豚肉の世界に誘えるような...。どうぞお楽しみに!」
『とんかつまい泉』が生んだオリジナル豚「甘い誘惑」。とっても希少な千葉中ヨークシャー種ということで、これまでは青山本店のレストランだけでしかご提供することができませんでした。しかし最近では、豚バラハムやソーセージなど一部商品を通販でも。さらに新メニューや取扱店の拡大など、「甘い誘惑」が少しずつですが、みなさんに近づいていますよ!
この度登場したのは、豚のステーキ「トンテキ重」。甘い誘惑の特徴の1つ、とろけるような脂を堪能できる肩ロースのステーキ肉をたっぷりと。ショウガ醤油を基調としたオリジナルの甘めのタレも、コクを引き立ててくれますよ。青山本店の売店でお弁当として販売している他、レストラン内でお召し上がりいただけます。数量が限られていますので、お早めに!
新しく「甘い誘惑」メニューのご用意を始めたのは、東京駅に隣接する大丸東京レストラン。脂の旨みがたまらない「特ロースかつ膳」、女性にも大人気の「ヒレかつ膳」、柔らかくビタミンB1も豊富な「モモかつ膳」、そしてジューシーな「手ごねメンチ膳」の4種類です。観光のお客様だけでなく、ビジネスマンの方のご注文も多く、大変好評ですよ♪お仕事にくじけそうになった時は、「甘い誘惑」でホッと一息。たくさん食べて元気いっぱいになってくださいね!
手間暇かけて育てなければいけない「甘い誘惑」の生産は"いくらでも"というわけにはいきません。ですが、少しずつ、確実に。じわりじわりとみなさんを誘惑していきますよ♪ご期待ください!
"おいしいとんかつ"のために生みだした『とんかつまい泉』オリジナル豚「甘い誘惑」。これまでそんな「甘い誘惑」のバックストーリーや開発に携わってきたスタッフのちょっとしたお話を、いくつかご紹介してきました。今回は、これまで書ききれなかった思いや名言を、一挙にお届けします!
豚肉の味を左右するのは、品種、環境、そして飼料。品種は持って生まれたものなので、ある程度は味の想定ができますが、飼料や育て方の結果が現れるのは、早くても豚が成長する220日後のこと。これは一般的に流通する豚の飼育よりも、およそ1~2カ月も長い期間です。堀江さんは毎日毎日豚に寄り添い、この220日後のイメージを描きながら、ずっと様子を見守っているんですね。ちなみに「甘い誘惑」に与える飼料の一部には、まい泉でおなじみの「かつサンド」を作る時に発生するパン耳が使われているんですよ!
まい泉で最もとんかつを知り尽くしている松岡生産本部長が、初めて「甘い誘惑」に触れた瞬間に、つぶやいた言葉です。「まるで昔の恋人にでも会ったかのよう」。目尻を下げた表情で、思いっきり誘惑されていました。
ちなみに、おせち料理開発担当のスタッフも、脂の融点が低く、触れるだけでみるみる溶けていくこの「甘い誘惑」を前に、「まるで和牛。完全に豚肉のイメージが変わってしまった!」と感嘆していたんですよ。
「みなさんに、そう言ってもらえるように」と、声を弾ませたのは、入社2年目で、プロジェクトに抜擢された坂口。「甘い誘惑」は貴重な品種であることから、今はまだ提供できる場所が限られていますが、これからどんどんみなさんに味わってもらい、「また食べたい」という欲を駆り立てるのが目標だとか。
いかがでしたか?1度味わったら忘れられないこの「甘い誘惑」。みなさんも、ぜひお試しくださいね!